システム栽培とは、植物の生長に必要な環境として、光や温湿度、二酸化炭素濃度、水分や栄養分を高度に人工制御することで、1年を通じて、計画的・安定的に野菜や花卉を出荷することが可能になる生産システムです。
世界的には人口増加が続く一方、都市開発や砂漠化などで農地に適した土地が次々と失われていく中で、食料を安定的に生産・供給していくことは、短期的にも、中長期的にも極めて重要な課題となっています。このため、天候や土壌などの自然環境に左右されずに、コンピュータ制御システムによって、最適な生育環境の下、一定品質の農産物が、高効率に生産されるシステム栽培は、世界的に注目され始めています。
経済産業省と農林水産省は、地域経済振興による地域活性化の切り札として、地元に存する資源を利用することで自発的な産業活性化を図ろうとしてきました。どのような地方にでも存在する農林水産業は活用すべき地域資源として常に注目されてきました。農商工連携とは地域の農林水産業と、商業や工業などの中小企業などが対等なパートナーとして組んで新しいビジネスモデルを構築することを意味します。
新たな産業として注目されている農業を、農家の「勘と経験」による職人的産業から、科学的裏付けによって生産される工場的産業へと転換させ、消費者やユーザーのニーズに応えたマーケットインによる農業生産システムを確立、新たな雇用をもたらすだけでなく、企業の農業参入の際の障害となっていた農地を取得しなくてもできる農業を実現、しかもLEDや省エネ機器、空調、ロボットなど、様々な関連産業への拡がりと市場創出を実現しています。
ブームと呼ぶには、あまりにも大規模な事業…六次産業へと発展したのです。
システム栽培は、農業と地域資源を活用して、今後、以下のような展開が期待されます。